作者 楡周平
『プラチナタウン』
『食王』
『日本ゲートウェイ』
米国企業在職中に『Cの福音』でデヴュー時は、ハードな筆致と内容から、大藪春彦の再来といわれて、現在は主に経済物を執筆されている楡周平さんの3連作です。
時系列的にまずはプラチナタウン。
財政破綻寸前の田舎町を、元エリート商社マンが、故あって町長に主任して再生させていく話です。
ありがちと言えばありがちなストーリーですが、目から鱗の地方創生プランに心躍ります。
次に食王。
今は成功した大手外食チェーン経営者が,かつて危機を救ってくれた大恩ある社長に報いるため、飲食店死屍累々のビルでのビジネスに、会社を挙げてアイデアを募る。
社内外、種々の立場の人々が出会い,絡み,ピースがハマっていく。
爽快です。
最後に日本ゲートウェイ。
日本橋の超一等地にある老舗百貨店が舞台。(アレではない)
コロナ危機により,倒産が間近と迫る中、社長はかつて勤務した商社の同僚と再会。
共通の友人でありプラチナタウンを作り上げた人物と再建策を見出していく物語。
食王の登場人物も絡み,化学反応が起こり、思わぬ方向へ。。。
身内に発生する抵抗勢力や、変化を是としない守旧派など,パワーゲームも実に面白い。
3作とも,やや荒唐無稽な部分もありますが、諦めない勇気,変革の意味,専門知識を持ち寄る知恵、再建と創成のヒントが満載です。